【低入札調査基準+記者の眼】工事は75%〜92%に/範囲を10年ぶり改定

 国土交通省は2019年4月1日以降に入札公告を行う直轄工事を対象に低入札価格調査基準の運用を見直す。ダンピング防止や品質確保を図るため、一定の基準を下回る応札者に対して履行可能性を確認する低入札価格調査基準の範囲を従来の「70%〜90%」から「75%〜92%」へ改定する=表参照=。同基準の範囲を改定するのは10年ぶりとなる。
 近年の施工実態等を踏まえた上で、会計法令に基づく国交大臣と財務大臣との協議を経て引き上げが決まった。
 26日の会見で石井啓一大臣は、上限を引き上げることにより「これまで以上に適切に低入札価格調査を行えるようにし、公共調達におけるダンピング対策や品質確保を図ってまいりたい」としたほか、今後、地方自治体に対しても「低入札価格調査基準等の見直しを適切に行っていただくよう要請する」と話した。
 国交省が直近の直轄工事の実態を調べたところ、計算式に基づき算出した低入札価格調査基準の額が予定価格の90%を上回る案件が4割弱あったことから、実態に合わせるために上限を引き上げることになった。
 また低入札価格調査における提出書類については1様式を廃止、2様式を簡素化する。併せて施工体制確認の提出資料も4様式を2様式に統合し、1様式を簡素化する。
 さらに技術革新を促す仕組みも導入する考えで、工事の規模に応じて新技術によるコスト縮減提案等を求める入札方式を活用する見通しだ。
〈記者の眼〉
 今回、基準の範囲について上限を92%に引き上げるだけでなく下限を75%引き上げた点が注目される。基準改定に連動して中央公契連モデルも改定するため、特に市町村を対象に新モデルに準じた基準見直しを促す狙いがある。一部市町村では、最低制限価格を予定価格の70%に設定した結果、入札額が最低制限価格に張り付き、落札率が低くなる例があるため、下限を引き上げることで、少なくとも落札率70%程度での受注は減る見通しだ。長年の悲願だった基準の範囲引き上げが10年ぶりに認められた意味を、受発注者ともに真剣に考える必要がある。
 
〈2019/03/26配信〉

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