要望では、建設産業について「担い手確保に苦しんでおり、構造的賃上げによる成長と分配の好循環のためにも、担い手の処遇改善を強力に進める必要がある」とし、中長期的な担い手の育成・確保や公共工事の円滑な施工確保を求めた。

　要望の概要は次の通り。

　引き上げが着実に技能労働者の賃上げにつながる。請負契約における労務費確保と賃金の行き渡りに向けた取り組みを一層推進すること。

　現行の『加速化対策』を大きく上回る規模の国土強靱化実施中期計画を早急に策定すること。

　ICT活用やDX推進などによる生産性向上、CCUS普及促進など担い手確保に向けた施策の促進・充実に努めること。

　資材価格高騰などの実態が反映された予定価格の設定、スライド条項の設定・運用、ダンピング対策の徹底・強化、適正な工期設定、施工時期の平準化を強力に推進すること。特に市町村に対し、支援や強力な働きかけを行い、改善を推進すること。

　総合評価落札方式における賃上げ実施企業に対する加点措置について、賃上げ実績の確認は柔軟に運用すること。

◎率の高い引き上げ必要

　梶山会長は要望後の会見で「担い手確保はそれぞれの地域で重要。まずは13年連続で労務単価を引き上げできるかが大事。また国土強靱化も重要であり、災害への備えについても大臣と話をした。大臣からは『首相指示もあるので、しっかり取り組む』との返事をいただいた」とコメント。また設計労務単価について「まだまだ率の高い引き上げが必要。週5日働いて、どれだけ収入を得られるかが担い手確保につながる」との考えを示した。