【群マネ】効果や運用方法を議論/25年度に手引き作成を
国土交通省は19日、地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)実施手法検討会(座長・小澤一雅政策研究大学院大学教授)を開催した。会では新潟県三条市など先行事例について効果や性能規定の運用方法について議論。同省では委員からの意見なども参考に、2025年度内に『群マネ手引き』を作成する。
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会では、効果の試算について議論を行った。先行事例への調査では、発注作業対応時間の減少や職員の技術力向上、不調・不落の減少、事業者による創意工夫発揮、地元業者技術力向上などが見られた。先行地区における直営対応時間の縮減試算と新たに注力している業務なども確認した。
性能規定の運用方法についても先行事例の状況を確認。事業者がメンテナンスマネージャーを配置して年間計画書の作成・フォローアップする方法、AIを活用した路面点検などが紹介された。
25年度に作成する手引きは、群マネの導入検討から実践までをサポートするものとなる。検討会の議論も参考に、群マネによる効果試算や費用計上方法、事業者とのコミュニケーション方法(サウンディング調査など)、性能規定の運用(適用する業務内容、モニタリング方法など)を掲載する。
◇三条市は工事増の効果
検討会では群マネ先行事例として、新潟県三条市による取り組みが大きく取り上げられた。同市では道路・公園・河川について、全体マネジメント(スケジュール管理、書類作成など)や窓口業務(受付、電話応対)、巡回、維持作業(補修、照明管理)、除草、清掃、植栽管理などを総価契約で実施している。
同市はこれまで130万円未満の工事や計画的舗装修繕などは委託していたが、包括的民間委託という形で維持管理作業や巡回、窓口、マネジメントなどの直営部分も委託。これによって職員の負担は大幅削減となり、これまで着手できなかった計画策定が可能になった。また工事管理に職員を多く配置できるようになり、結果として工事発注件数も増加。インフラメンテナンスの必要性も相まって、工事費は約8倍に増加したという。
性能規定の履行状況については、月例会議でモニタリングを行っている。この会議では予算執行状況や要望受付状況などが報告されている。
事業者側の創意工夫も見られ、タブレット端末を用いた道路管理システムでデータ蓄積、AIによる路面点検・補修箇所選定、補修蓄積データを用いた補修要領の作成などが行われていた。
◇25年度は3地区で試行
検討会では、25年度に群マネを試行する地区についても検討状況を確認した。25年度は奈良県宇陀市、島根県益田市、秋田県大館市で試行を予定。奈良県宇陀市は橋梁CM方式の共同契約(点検・修繕設計・工事)を1市3村の広域連携で行う。島根県益田市は、農林道を含む橋梁・トンネルの一括管理(点検・修繕設計)を1市2町の広域連携で行う。秋田県大館市は道路(農林道含む)・河川・公園の日常管理を包括化。将来的には下水道(雨水幹線、都市下水路の浚渫)も含める考え。
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〈2025/02/19配信〉
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