可能でしょう。ただ、そのためには「1年単位の変形労働時間制」を活用します。この変形労働時間制の活用は、国交省策定の「猛暑対策サポートパッケージ」にも提案されています。
具体的に7月・8月の62連休をどう実現するのかを説明する前に、国交省が設置した「今後の建設業政策のあり方に関する勉強会」のとりまとめにも次のテーマが挙がっていることをご認識ください。
@月給転換
A企業統合
B賃上げの前提となる社内規則や人事評価
これらのことは、今後30年間、中小建設業者が勝ち残るうえで非常に重要な着眼点となりますので、深くご認識ください。この中から今回の注目は「@月給転換」です。
私自身、昨年末から年初にかけて商工会や新聞社等からの招きで「建設業の夏季休業」をテーマにセミナー講師を15回以上務めてきましたが、その際、参加者の皆様(多くは経営層)が危惧されることは「夏季休業になるとその時期の給料がゼロになる技能者が出てくる」というご意見です。
確かに日給制で働いている技能者・作業者の場合、7月・8月の62日間休業となると、この2カ月は無給になります。
皆さん、技能者の日給制、もう止めませんか?「今後の建設業政策のあり方に関する勉強会」が挙げたテーマのように技能者の月給転換を進めるちょうどよい機会なのです。
実は今から15年以上前、既に関与先の舗装工事業者は、技能者を日給制から月給制に転換したのです。ただ、単に月給制にしたのではなく、舗装工事の1グループの人数を減員したうえで月給制にしたのです。当初、「減員した人数では施工できない」と当然のように反対意見が出ましたが、実際、減員した人数で問題なく施工できたのです。
私もIE手法などを用い生産性向上を指導させていただきますが、実際、舗装工事の現場というのは、全員が主作業や必要な作業をしているのではなく、必ず、一人から数人は、作業に参加せず手待ち状態なのです。当該企業では、日給制から月給制にしたことにより、技能者が安心して働くことができ、生産性も向上し、如何に手際よく作業すべきかという着眼点も芽生え、組織風土も良好になりました。
今回、7月・8月の62連休を実現するために(62連休でなくても31連休でもOK)、あなたの会社の社員で日給制の方は、この機会に月給制にされてはいかがでしょうか。
では、7月・8月を全休として62連休にした場合、他の月の休日はどうなるのでしょうか。
1〜6月=日曜、祝日休み。7〜8月=全休。9〜12月=日曜、祝日休み。
また、年末の12月末と年初の1月上旬にプラス2日ほどの休日を付与します。
以上の場合、年間休日はどうなるのか?年間休日125日です。
7月・8月を全休の62連休にしたところで、他の月を日曜・祝日休みにすれば(土曜日は出勤)、年間休日125日で収まるのです。
いかがでしょうか。年間休日125日でしたら実現可能ではないですか?実際、今後若手人材を採用する場合、年間休日は115日以上付与しないと採用は困難でしょう。
この手法は「1年単位の変形労働時間制」を採用することにより実現可能なのです。ここで問題があります。例えば、6月入社の人材。仮に6月1日に入社して同年9月末日に退職した場合、在職期間は4カ月ですが、うち2カ月は全休です。しかし給与は「1カ月分×4回」が支払われます。在職期間の4カ月のうち、半数以上休日にも拘らず、月給制ですから、4カ月分の給与を支払うことになります。これでは、企業側がたまったものではありません。
このような場合、実際の労働日数で清算できれば良いのですが、変形労働時間制の場合、原則、清算が難しい状況です。
でも、安心してください。「1年単位の変形労働時間制」を採用していても清算することを可能にする方法がありますので。